Phần giải thích dành cho giáo viên
第 一 課
Ⅰ. わたしはマイク・ミラーです。
1)基本文法事項:
・文型は N1 は N2 です。
N1は名詞で 人名、動物、物、代名詞などがくる。N2も名詞で名前、国籍、身分、職業がくる。
・「は」はその前の名詞がその文の主題(subject)であることを示す、いわゆる「とりたて」の副助詞で
ある。「です」は国文法における助動詞「だ」の丁寧形であるが、日本語教育では「N2です」の形が その文の述部(predicate)であることを示すという考え方をとる。即ち主題N1が何であるかをN2 が説明している文で、式で表せば N1=N2と書ける。 この文型は述語が名詞であるからこの文体 を名詞文ともいう。
・「わたし」は自分を指す代名詞である。初級レベルの人称代名詞(personal pronoun)を下記に示す。
第一人称 | 第二人称 | 第三人称 | ||
単 | 数 | わたし、(わたくし) | あなた、(あんた) | かれ、かのじょ |
複 | 数 | わたしたち | あなたたち、あなたがた | かれら、かのじょたち |
・マイク・ミラーは日本人からみて外国人の名前であるから、カタカナで書く事を教える。
2)教え方のポイント:できる生徒には上記の説明を簡単に教えてもよいが、全くの初級のレベルではわか らないであろうから自分の名前を言わせ、理解したところで教室のだれかを指しながら名前、国籍、職 業などを言わせるようにする。
Ⅱ. サントスさんは 学生じゃ ありません。
1)基本文法事項:
・文型は N1 は N2 じゃありません。であり1)の文型の否定文(negative)である。式はN1
≠N2となる。
「じゃ」は口語体(colloquial form)で公式体(formal style)では「では」である。「で」は助動
詞「だ」の「て形」で、「は」は「とりたて」の副助詞である。 この文の肯定文は「サントスさんは学生であります」であり、この文の否定形として「ではありませ ん」「じゃありません」が導かれた。教室においてはこの理屈は省略して「です」文の否定形は「です」 を「じゃありません」に置き換えて作成することを教える。「じゃない」「じゃないです」はここでは まだ教えない。(じゃない は 普通体となる。)
・「さん」は二人称(話し相手)または三人称の名前を呼ぶ時、その名前の直後につけて用いる接尾辞
(suffix)でその人に対して尊敬、丁寧を表す敬称である。初級においては自分に対しては決して使 わないことを注意する。類語(synonym)として「ちゃん」「くん(君)」があることも順次教えていく。 2)教え方のポイント:Ⅰ.の文型で練習した文で間違いとなるような語彙を代入して否定文を作成する練
習をする。(生徒が中国人であれば、私は日本人じゃありませんと言わせるようにする。) Ⅲ. ミラーさん は 会社員ですか。
1)基本文法事項:
・Ⅰ.の文型 ミラーさんは会社員です。 の文に疑問を表す終助詞「か」を文末に付加して話し手の 疑問を相手に問う疑問文である。即ち文型Ⅰ.の宣言文、断定文に対し話し手が確信を持てないで疑 問を持つ場合Ⅰ.の文型の文末に終助詞「か」を付加して相手に確認(肯定か、否定か)を求める文 である。(ここにおける文型は文型Ⅰ.の名詞文に限ることを教える。)
・従ってその答えは 肯定の場合と 否定の場合の二つとなる。
肯定の場合 はい、ミラーさんは会社員です。
または はい、そうです。 の二通りを教える。 否定の場合 いいえ、ミラーさんは会社員じゃありません。 先生です。
または いいえ、そうじゃありません。 先生です。
「はい」「いいえ」は品詞的には感嘆詞である。
・日本語における疑問文のイントネーションは疑問詞のある、なしに係わらず上昇調である。
・日本語の疑問文の表記において疑問符号(question mark)は通常の疑問文には用いない。但し1品詞 のみで疑問を表す場合だけ疑問符号を用いる。(雨? 行く? 寒い? )
2)教え方のポイント:
文型Ⅲの質問をしながら文型Ⅰ、Ⅱを使って答えさせる。
・(あなたは) ~ さんですか。 はい、(わたしは)~ です。 はい、そうです。
いいえ、(わたしは)~ じゃありません。 ~です。 いいえ、そうじゃありません。~です。
「あなた」のかわりに教室内の人、また 「~」に国籍、職業などを変えて言わせる。
・この時日本人の日常会話のなかで「あなた」はあまり使わないでむしろ名前を使うことが多い こと、「わたし」も通常の会話のなかでは省略されることなどを教える。
Ⅳ. サントスさん も 会社員です。
1)基本文法事項:
・N1はN2です。N3はN2です。の二つの文のように同じ述語が並ぶ場合、後の文の同じものを示す 助詞「は」は「も」に変わることを教える。この「も」を同定の助詞といい、この「も」を従えてい る名詞が同じグループであることを示す。
ミラーさんは会社員です。サントスさんは会社員です。
→ ミラーさんは会社員です。サントスさんも会社員です。→ミラーさんもサントスさんも会社員です。 日本は島国です。フィリピンは島国です。
→ 日本は島国です。フィリピンも島国です。→日本もフィリピンも島国です。 上記のように二つの文を一つにする時(あるいはいくつかの名詞が同じグループになって主格になった り補語になったりする時)両方の助詞が「も」になることもできれば教える。
2)教え方のポイント:
・初級の中で使われる語彙(国籍、職業、動物、くだもの等)を使って生徒に言わせる。 この時「劉さんは中国人です。あなたも中国人ですか。」の質問に対し肯定の場合は 「はい、私も 中国人です」になるが、否定の場合は「いいえ、わたしは中国人じゃありません。」と「も」は使わ ないことを教える。
Ⅴ. あの方は どなた ですか。
1)基本文法事項:
・文型 N1はN2ですか。 のN2が人の名前を尋ねる疑問代名詞「どなた」に置き換わった疑問文で ある。従ってこの文は話し手同士以外の第3者の人の名前を尋ねる時に使う文である。
・「どなた」は「だれ」の丁寧形であり、初級者においても「だれ」ではなく「どなた」を使う事を教 える。
・英語では疑問詞は文頭に来るが日本語ではその規則がないことを英語既習者には断る。
・「あの方」:詳しくは第2課で学ぶ学習項目(こそあどの規則および指示代名詞)なのでここでは単に 話者同士から少し離れた人を指す言葉(英語既習者であれば that person に置き換えられる こと で説明)であると説明する。これも「あの人」の丁寧形であり「あの人」と言わず「あの方」という 事を教える。
・疑問詞のある疑問文であるので答えには「はい」、「いいえ」は不要であることを教える。
2)教え方のポイント:
・「あの方は太郎さんですか。」の文において太郎さんの名前が分からないからその部分を疑問詞「どな
た」に置き換えて名前を尋ねるのだと説明するとわかりやすい。(疑問詞を含む疑問文はすべてこの 置換方式で行うと説明しやすい。)
・教室内においては先生が知っていて生徒が知らない人を生徒に尋ねさせる、あるいは生徒が知ってい て先生が知らない人に対し先生が尋ね、生徒が答えるという会話で学習する。
Ⅵ. ワットさんは さくら大学の 先生です。
1)基本文法事項:
・ここでの文法事項は N1のN2 という 助詞「の」の使い方である。この「の」は名詞と名詞の間に 入って二つの名詞の関係を示す。文法的にこの「の」は格助詞として扱われている。 わたしの時計、さくら大学の学生・・・所有(N1が所有するN2)・所属(N1に所属するN2)の関係 東京の地下鉄、伊豆の温泉・・・所在・場所の限定(N1にあるN2、N1に住んでいるN2) 伊東の南、食事の後・・・基準に対する空間的・時間的位置(基準N1に対してN2は~)等々 上記のように「の」が示す二つの名詞の関係は多々あるがここでは、とりあえず所有・所属の関係のみ を教え、その都度出てきた時点で新出機能を説明する。
2)教え方のポイント:
生徒の持ち物、生徒の国籍、生徒が働いている会社、協会で働いている先生方を例に 発話させていく。
Ⅶ. テレサちゃんは 何歳 ですか。
1)基本文法事項:
・ここで第一に学習する文法事項は数字と共に使われる助数詞(counters)である。日本語ではある物の 数を言う時、数だけを言うことはまずなく、数字に必ず助数詞をつけるということを教える。この助数 詞をつけることにより物の種類、物のイメージをよりはっきりと言い表すと考えられる。これはヨーロ ッパ系言語にはないもので、逆に東南アジア、中国、韓国語等にみられる。日本語にはこの助数詞が数 多くあるが初級では日常使う物の範囲で十分である。
・ある物の数量を尋ねる時、「何(なん)+そのものの助数詞」が数量を尋ねる疑問詞であることを教える。 ただし物の価格、値段を聞くときは「何円」より、「いくら」(「おいくら」)を使う事が多いし、「ひとつ、 ふたつ」と数えるものの数を聞くときは「いくつ」となることも慣れてきたら教える。
・助数詞には絵のついた資料が用意されているので利用されたい。 2)教え方のポイント:
・まずは1~10までの発音を教える。慣れるに従って100代、1000代くらいまでをおしえる。数 字の言い方には規則性があるからその規則性をつかませれば、それほど難しくはないはずである。複数 の発音のある数字がある(4:し、よん 7:なな、しち 9:きゅう、く)のでその両方を教える。 大きな数字の単位(万、億、兆・・・)は日本語では4桁毎に単位が更新するが英語では3桁毎(million, Billion・・)になるから英語話者にはこの点を注意する。(この大きな数字は初級の中以上からでよい。)
・この数字が言えるようになってから初めて助数詞をつけた言い方を学習させる。助数詞の種類によって
「いち」が「いっ」になったり、助数詞「本、ほん」などは数字によって「ぽん」になったり、「ぼん」 になったりするから注意を要する。初めのうちにあまり面倒なことを教えると学習意欲を低下させるお それがあるから、最初のうちからあまり詰め込ませないことが肝要である。
・人の数を数える時、助数詞は「人、にん」であるが「一人、二人」だけは「ひとり、ふたり」となるこ とに注意。人の数え方は初級の段階の必須事項なのでこれだけは覚えてもらう。この数え方が「ひとつ、 ふたつ・・・」からきているので余裕のある生徒には、この数え方があることを教えてもよい。
・「何歳」は丁寧語からいえば「おいくつ」であるから、丁寧語が必要な時は「おいくつ」を使うように指 導する。
・時間、日にちについては第4課から始まるので、時間、日にちはそれからでよい。
・教室では生徒の家族の人数、年齢、生徒の国の人口、日用品の値段などを聞きながら会話を進める。